弱点と言うべきかどうか難しいところですが―
高い性能ばかりを求めるうちに、それだけで満足してしまう業者や建て主さんを、時折お見受けします。
競うかのように気密性を高めようとしたり、必要以上に断熱性を高めたり、あげく「うちは高性能な建物だから間違いない」と・・・。
職人気質に性能を求めることは、決して悪いことではありません。けれど、そこに固執するあまり、
“高性能住宅=よい住宅”と、考えるのはいかがなものでしょう。性能だけが高くても、よい住宅にはならない
高気密・高断熱住宅を手がければ、受注が増えると当て込んで、安易に手を染める業者も少なくありません。特に、地球温暖化などの環境問題が脚光を浴び、省エネルギーが国家レベルで奨励されるようになったがために、一時の流行に乗るように看板を掲げている会社が増えています。しかし、これも本質の見誤りで、高気密・高断熱を謳うだけでは、受注が増えるはずもありません。

それもこれも高気密・高断熱性能が、住宅を構成する要素の一つにすぎないからです。
例えば、自動車でも燃費などのエンジン性能が高いだけでは、必ずしもよい車と言えない様に、住宅も性能だけが高くてもダメなのです。
気密、断熱、換気などの性能は、住宅が本来備え持つべき基本的な要素ではありますが、決して全てになりえるものではありません。現実に、気密性・断熱性など全くない建物であっても、住む人が心から満足している住宅はたくさん存在します。
衣食と同様に、住宅も文化の一つと数えられるだけあって、奥の深いものです。
高気密・高断熱の役割
業者の哲学や理念、建主さん家族の趣味や嗜好、価値観など、様々なものが反映されて形をなしています。そこの部分をおざなりにして、性能ばかりを追求しても、決して満足のいく住宅とはなりません。反対に、自分たちの趣味・嗜好にばかりこだわり、性能部分を疎かにしても後から必ず不満が生じるはずです。

デザイン性や居住性、趣味・嗜好、将来を見据えたプランニング、陽光をどう取り入れライティングをどうするか―。満たさなければならない要素はあまたあります。オール電化もまたその一つ。そのどれ一つを疎かにしても、不満の種となりうるからこそ、住宅は難しいのです。
高気密・高断熱性能は、具体的数値として表すことができるため、特化しやすいと言えるかもしれません。それ故に、「性能さえ高ければ、よい住宅となる」と見誤るのでしょう。だからこそ、高気密・高断熱という技術がどれだけのメリットをもたらすのか、同時にそれが全てではないことを知っておいてほしいのです。
住宅は、どこか一部分が優れていてもダメ。あくまでも、総合力が問われます。ただし、度々申し上げていることですが、基本性能が欠けていては、住宅としての本質的な役割を果たせないことも事実です。住宅の本質的役割とは、家族が幸せに、健康的に暮らせることです。つまり、皆さんのご家族を幸せにする
“大前提となる性能”が、高気密・高断熱性能なのです。