高気密・高断熱住宅の弱点で、ひとつ失念していた問題がありました。
冬場に室内が、乾燥ぎみとなる現象です。
特に、外気を直接引きこむタイプの換気システム(第三種システム)を用いている場合に、この現象が顕著となります。
過乾燥
冬の空気はもともと湿度が低い上に、暖房器を使用して温めているため、どうしても相対的に湿度は落ちてしまい、過乾燥の状態になります。著しい場合では、室内の湿度が30%を切るケースも珍しくありません。

ただ、この過乾燥の状態は、高気密・高断熱住宅に特有の欠点と言うわけでもなく、いわゆる普通の建物でもよく見られる現象です。その証拠と言うのも何ですが、気密性能が高くない我が家(築20年)でも、例外なくこの時期は乾燥しています。
私は寒がりのため室温を23℃程度と高めに設定しますが、実際の室温はおおむね20℃前後、湿度は28〜30%の範囲にあります。明らかに過乾燥状態で、乾燥肌に対処するクリームや加湿器を欠かせません。同居している猫も乾燥を肌で感じているのでしょう、他の季節よりも水を飲む量が増えています。
高気密・高断熱住宅で殊更に、「乾燥して困る!!」とクレームがつくのは、「室内の温度湿度を一定に保つことができる」と、謳っているため誤解が生じるのでしょう。確かに、室内の温室度をコントロールできることは、高気密・高断熱住宅の特徴の一つです。けれど、冷暖房機がなくては、どれほど高性能であっても、暖かくも涼しくもならないように、加湿器なしでの湿度コントロールは至難の業となります。ですから本来は、
「少ないエネルギーで、室内の温室度を一定に保つ(コントロールする)ことができる」と、説明するべきなのです。それを、“少ないエネルギーで”の但し書きを省いてしまうために誤解されてしまうのです。
ただし、高気密・高断熱住宅が、普通の建物よりも乾燥するようなことがないことは、付け加えておきます。
高気密・高断熱住宅なのに、夏涼しくならない!
上記で、高性能であったも、「冷暖房設備なしでは、暖かくも涼しくもならない」と述べましたので、補足といいますか蛇足と言いますか・・・。

時折、「高気密住宅は夏涼しいと聞いて建築したが、暑くて仕方がない」と、お怒りの声を耳にすることがあります。
様々なケースがありますが、以前住んでいた建物よりも早い時期から冷房が必要となることは、高気密・高断熱住宅の真実(7)で述べさせてもらいました。今回は、それとも違うお話です。
早い話が業者さんの説明不足が原因で、冷房なしで涼しくなると誤解されているケース。実際、こういった誤解は少なくないことが、困るところです。
再三申し上げている通り、どれほど気密・断熱に優れている建物でも、空調なしでは涼しくも暖かくもできません。例外的に、遮熱をすることで、太陽熱を跳ね返す技術もありますが、それ以外の方法では業者さんがどう説明しようがあり得ないことを、皆さんにはくれぐれも承知しておいてほしいと思います。
蛇足ついでにもうひとつ付け加えますと―
大半のお客様は、新築すると現在の住まいよりも暖かくなると誤解している傾向にあります。暖かい、涼しいは、新しい家なのだから当たり前だと思い込むようです。しかし、現実は違います。気密・断熱性能を向上させない限り、暖かく(涼しく)なることはありません。新築当初は、家の狂いも少なく、多少暖かいかも知れませんが、二三年もすれば、古い建物と変わらなくなると思っていて間違いありません。