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【第34回】 長期優良住宅(1) その目的と概要

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 この6月4日から「長期優良住宅の普及促進に関する法律」が施行されます。その名の通り、長持ちする良い住宅を普及させようという法律です。
 超長期にわたる安全な暮らしの実現、ゆとりある国民生活の実現、環境負荷の低減などを目指して、住宅の在り方を抜本的に見直そうという趣旨であり、高耐久性の確保、高耐震性の確保、高可変性の確保、維持管理の容易性などが盛り込まれています。

“使い捨て”が及ぼした深刻な事態

 これまでのわが国の住宅は、いわば“使い捨て”が主流でした。平均寿命20年〜30年(欧米では50年〜100年)しかない住宅を量産し、消費(建て替え)が繰り返されてきたのです。
 言うまでもなく、わが国には古より木の文化が息づいています。けれど、“文化”の言葉の上にあぐらをかくかのように、木材の大量消費に慣れ、地球への負担も顧みずにきました。経済効率の名のもとに、東南アジアや北米からより安価な木材を買い、かの国の森林を丸裸にする一方、自国の山林を荒れ放題にしたことは、日本人の大きな罪と言えるでしょう。あげく無計画の森林伐採や乱開発による環境破壊が、洪水や異常干ばつを引き起こし、地球温暖化という深刻な事態まで招いたのです。

 地球温暖化は、CO2排出量の増加による影響が大きいことも周知の事実です。その危機感は、いまや環境なくして企業なし、環境なくして国家なし、という深刻な状況にまで発展しています。アメリカのオバマ大統領が大きな政策として掲げているのも、環境を重視した産業推進「グリーン・ニューディール政策」です。
 日本で環境への配慮を意識した長期優良住宅が、打ち出された背景もこれと無関係ではありません。

 建てては壊す「使い捨て住宅」は、産業廃棄物など地球環境に与える影響が多大です。政府では、すべての住宅を長期優良住宅に変換できれば、年間1000万トンのCO2を削減できると試算しています。
 また、長期優良住宅の定着により、建て替えコストを大幅にカットできる他、高耐震性も実現することで地震による大規模修繕コストも削減され、200年の長期スパンではコスト的に従来の3分の2に削減されると見積もられています。

住宅は国民の基盤

 わが国では住宅に限らず、ハードにしてもソフトにしても未成熟な部分が多く、成熟した社会的豊かさがほとんど実感されません。好評を得ているオール電化といえども、住宅のハード面(気密・断熱などの性能)がしっかりしていなければメリットが半減することは、再三ここでも述べてきました。

 きちんとした長持ちする良いものに価値を見いだし、手入れして長く大切に使う。いわば、質実剛健を基本とするストック社会への転換が、早急に求められているのです。中でも、平均寿命が先進諸国に比べて極端に短い日本の住宅を根本から見直し、もっと長持ちする住宅を普及させるとともに、国民の基盤となる社会的財産としても整えることが長期優良住宅の目的です。
 つまり「長期優良住宅」とは、国家二百年の大計に基づき、住宅の構造(骨組みなど)をしっかりと頑丈にしたつくりとし、定期的にメンテナンスすることによって200年もつものとする。その上で、設備や内装を20年程度の目安で更新することにより、時代のニーズや最新のライフスタイルに建物をあわせていくという考え方を基本にした住宅です。

 今回から三回ほどに渡り、その長期優良住宅(200年住宅)のメリット・デメリットについて述べていきます。

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  • 2009/05/25

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