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【第35回】 長期優良住宅(2) 住宅を長持ちさせるカギ

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 前回のコラムでも紹介したとおり、先日6月4から「長期優良住宅の普及促進に関する法律」(長期優良住宅法)が施行となりました。
 同法で求められる長期優良住宅が満たすべき要件は、超長期にわたる安全な暮らしの実現、ゆとりのある国民生活の実現、環境負荷の低減、高耐久性の確保、高耐震性の確保、高可変性の確保、維持管理の容易性などです。つまり、平均二十年で寿命が尽きてしまうこれまでの住まいづくりを、資源とエネルギーの無駄を省くためにも「きちんと長持ちするようにつくり、手入れして長く使う」方向に転換することが狙いなわけです。

住宅寿命がもたらす生活の“ゆとり”

 長期優良住宅法策定のキーワードとして、当初は「200年住宅」との名称が使われていました。福田康夫前首相が総裁選でも触れたことで、世間に浸透していった経緯があります。
 現在でも新聞報道などでは、200年住宅の名称をカッコ書きで用いるケースも見られますが、あくまでも200年という数字は長持ちの象徴として掲げられたもので、必ずしも物理的に200年もつ住宅をつくるということではありません。実際に求められている維持保全も最低30年間とされており、200年には程遠いものとなっています。

 とは言え、平均二十年しか寿命のない建物をつくり続けている現在の日本の住宅事情は、あきらかに異常です。
 欧米諸国では、一般市民であっても家具や絵画などの調度品を吟味し、生活を楽しむ余裕を持っています。夏休みやクリスマスなどの長期休暇を別荘などで過ごす市民も少なくありません。
 一方で、わが国の所得水準は先進国でもトップクラスにありますが、日々の生活の中で豊かさを実感できている市民がどれだけいるでしょうか。これほどまでに、欧米と豊かさに格差が生じている背景は、住宅の寿命と無縁ではないのです。
 住宅を一棟建築するためには、生涯賃金の約三分の一程度が必要と言われています。それほど大きなコストがかかるにもかかわらず、平均二十年そこそこで、建てては壊ししているのですから、暮らしを楽しむゆとりなど失われて当然です。

カギを握る高気密・高断熱性能

 かつての日本でも、欧米同様住宅は住み継ぐものとされていましたが、都市化が進み(農村部では過疎化)、核家族化が顕著になるにつれ、住宅は“使い捨て”となり果てました。

 「日本は高温多湿だから木造住宅は長持ちしない」とされていますが、それは方便でしかありません。現実に、50年100年と受け継がれてきた古民家が、その証拠です。きちんと工夫をすれば、高温多湿の気候風土であっても、超長期にわたり長持ちし、子孫に受け継ぐ住宅をつくることは可能だということです。その最たる工夫が、いわゆる高気密・高断熱性能を実現することです。

 住宅の構造体を腐らせる(錆びさせる)湿気を寄せ付けないことが、長持ちさせる秘訣であり、高気密・高断熱性能が湿気をシャットアウトするための技術であることは、再三このコラムでも述べてきました。
 もちろん、高気密・高断熱性能の他にも、構造体(柱や土台)を太くすることや、基礎を強くするなどの工夫も必要ですが、基本は高気密・高断熱性能をいかに高いレベルで実現するかがカギであるといえます。また、高気密・高断熱性能が持つメリットを十二分に発揮させる太陽光発電システムやオール電化などの導入も欠かせないでしょう。

 「200年住宅」と聞くと、あまりにも時間的なスパンが長すぎて、夢物語のように思われがちですが、高齢化社会が進む日本では本当に実現しなくてはならない住宅でもあります。次回は、そのあたりのことを詳しく述べたいと思います。

このコラムーの情報

  • 2009/06/29

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