長期優良住宅が持つメリットには大きく二つあります。
一つは長寿命・高品質性などの性能がもたらすメリット。そして、もう一つが普及促進を目的とした優遇措置からなる金銭的メリットです。
少子高齢化に耐えうる住宅を
長期にわたる寿命を有する建物とするには、柱や梁を太くしたり基礎を頑丈にしたりといった構造的な措置が求められます。必然的に、品質の高い部材や性能技術が用いられるようになり、耐久性、耐震性、省エネルギー性能などが飛躍的に向上するわけです。

既にわが国では、少子高齢化が顕在化しています。今後さらにその度合が進む中、定年後の終の棲家をどうするかは切実な問題です。
平均寿命90年にまで手が届こうかという時代では、定年後の生活が30年も続く計算です。例え、定年退職前に終の棲家を整えたとしても、建物の寿命が短いと、自分たちが天寿を全うするよりも先に家がダメになってしまう最悪の事態も考えられます。
また、年を取ると暑さ寒さは身にしみてこたえます。けれど、わずかな年金を頼りに切り詰めた生活をしていて、電気代などの冷暖房費にどれだけのお金をかけられるでしょうか。
年老いて、身体が思うようにならなくなった時に、暑さ寒さや家の寿命など、住む場所に不安を抱えることは悲劇です。そんな心配を払拭してくれるのが長期優良住宅のもつメリットなのです。
また、長期優良住宅が満たさなければならない要件の一つに、「住宅履歴情報」の作成保存が盛り込まれています。
住宅履歴情報とは、いわば住宅のカルテのようなもので、設計図面や契約書類などの基礎データや定期点検・メンテナンス・リフォームなどの履歴を明確にするものです。その建物がどういった構造になっていて、いつどんな点検を行い、どのようなメンテナンスやリフォームが行われてきたかなどをデータ化して蓄積していくのです。しかも、そのデータは、ユーザーや建築をした会社はもちろん、第三者機関でも保管することが求められています。
この制度が確立されると、品質や性能を正当に評価されるようになり、中古住宅として売り買いしやすい建物となります。その分だけ資産価値の目減りを小さくする可能性を秘めているのです。欧米並みに、中古住宅市場が活発化することも期待できるでしょう。
有効活用したい優遇措置
金銭的なメリットで、何といっても大きいのは、
住宅ローン減税でしょう。年収やローン額によってメリットは異なりますが、
最大10年間で600万円まで控除可能となります。この控除額は住宅ローン減税としては、過去最大の物です。所得税から控除し切れない分に関しては、住民税からの控除を受けることも可能となっています。また、住宅ローンを使わずに自己資金で長期優良住宅を建築する場合でも減税の効果が受けられる特例措置(控除額上限100万円)も設けられています。

さらに、長期優良住宅には、国が先行スタートさせた
「長期優良住宅先導的モデル事業」があり、これに採択されている住宅を建てる場合には、
最大200万円の補助金を受けることができます。また、モデル事業で採択されていない建物であっても、“普及型”の補助金制度があり、こちらの場合は100万円の補助金を受けることができます。
制度をうまく活用すると、最大800万円もの優遇を受けられる上に、長期固定ローン「フラット35」を利用すると、ローン金利が最大10年間0.3%優遇されます。フラット35は、長期優良住宅専用の制度ではなく、一定の性能を満たした住宅であれば利用できるものですが、例えば3000万円借りた場合、約90万円ものメリットが生じる計算です。