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今回は、音楽家・坂本龍一氏が主宰する森林保全団体“more trees”がスタートさせた被災地支援の取り組みについて、ご紹介したいと思います。

私たち日本グリーンエナジーが“more trees”の協賛法人(Seed Friend)となったのは、ちょうど2年前の今頃のことでした。
(その経緯につきましては、当時のコラムをご参照いただければ幸いです。)

その“more trees”が震災後、被災地支援プロジェクト「LIFE311」を立ち上げました。

「木造仮設住宅を被災地に」の標語を大きく掲げた、このプロジェクト。

仮設住宅の建設に、被災地周辺の地域産材を活用するばかりではなく、被災地に暮らす人達と共に作ることによって新たな雇用まで生みだそう、というのです。

震災前から「森林・林業日本一」を目指している岩手県住田町との協働で、すでに約100棟の仮設住宅が建設されたそうです。

先月には代表の坂本氏ご本人が現地を訪れ、仮設住宅に入居された方々と交流されている様子が、テレビでも報じられておりましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

外部からの支援だけではなく「地域の力で地域を復興していくための支援」というねらいが、実に素晴らしいと思いました。

地元の木材を使い、地元の工務店が中心となり、それを側面から支援する。
豊かな東北の森林を適切に管理しながら、その過程で産みだされる木材を有効活用することによって、森を守り育て、同時に地域の活性化(=被災地の復興)にも結びつけていく…


とても“more trees”らしい、地に足のついた活動だと思います。

いかにも急づくりな、味気ない金属製のプレハブ小屋ではなく、
作り手の熱意と「木のぬくもり」が感じられる、心地よい家。
未曾有の災害でたいへんな苦難を体験された方々には、それが何よりの心の慰めになることでしょう。

そのうえ「地域経済の活性化」と「持続可能な森林保全」にも役立つというのですから、これは一石二鳥にも三鳥にもなる実に画期的な取り組みなのではないでしょうか。


さらに、厳しい冬の寒さに備えて、森の資源が燃料となる「ペレットストーブ」が設置されるそうです。

このストーブは、おが屑など製材時の副産物を圧縮成型した「木質ペレット」を燃料にするもの。
エネルギーの「地産地消」にもなり、焼却ごみの量を減らし、限りある化石燃料(石油・石炭等)を使わずに済む分、大変「環境にやさしい」暖房器具だと言えます。


こういったエネルギー利用のかたち、いわゆる「木質系バイオマス燃料」(※注)が今後さらに普及してゆけば、国内の林業が大いに活性化されるものと期待されています。
また、日本は現在、燃料の大半を輸入に頼っていますから、木質系バイオマスの利用促進は「エネルギー自給率」の向上にもつながります。
危険きわまりない原子力に頼らなくてもよい社会をつくっていくためにも、とても大事なことだと思います。

“more trees”による木造仮設住宅は1棟あたり約300万円、100棟で3億円の費用がかかるそうで、「LIFE311」の公式サイトでは現在も寄付を受けつけております。
少額ではありますが、わが社も支援させて頂きました。

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また、坂本氏は他にも「こどもの音楽再生基金」を立ちあげ、被災された学校の楽器修理や再購入補助を行うなど、様々な支援活動に取り組んでいらっしゃるようですね。

      こどもの音楽再生基金

今後も日本グリーンエナジーは“more trees”への支援を通じて、微力ながら被災地の復興支援に努めていきたいと思っております。


(※注)
「バイオマス燃料」とは、簡単に言えば「生物から作る燃料」のこと。(厳密には「生物由来の有機性資源のうち、化石燃料以外のもの」を指します。)
基本的には、太陽エネルギーによる光合成および生物活動によって生産されるエネルギー源ですから、石油のように枯渇する心配もなく、再生可能・持続可能な資源です。
つまり、限りある資源を浪費することなく「育てることのできる資源」を活用するのが「バイオマス燃料」なのです。
また、二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化の防止にも役立つと考えられています。
無論、燃やせば二酸化炭素も出るわけですが、バイオマスの原料である植物は、燃料になる前の成長の過程において、すでに大気から二酸化炭素を吸収しています。前もって二酸化炭素を減らしているため、燃焼し二酸化炭素を排出しても地球上の二酸化炭素量を増やすことはない、というわけです。
この特性は、カーボン・ニュートラル(炭素中立性)と呼ばれています。



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