東芝、パナソニックなどは家庭用の蓄電池を発売する。今夏に東京電力管内が深刻な電力不足に陥る恐れがあるため、政府は家庭にも1520%の節電を求めた。各家庭が夜間に蓄えた電力を昼間に利用すれば、昼間の瞬間最大使用電力を抑えられる。東芝は2012年に予定していた発売時期を今年の6月に前倒しする。年度内に発売予定のパナソニックも前倒しを検討する。経済産業省は蓄電池の家庭への普及を後押しするため、購入者への補助金やポイント制の導入などの検討に入る。

東芝は蓄電能力が1キロワット時、3キロワット時、5キロワット時の3種類を投入する。持ち運び可能でコンセントをつないで充電し、白物家電やデジタル家電に電気を供給する。5キロワット時の場合、15畳対応のエアコン1台を約6時間運転できる。  電気料金が昼間の約3分の1になる夜間(午後11~午前7時)に充電すれば、ピーク時の消費電力を抑制できるだけでなく、電気料金の節約や停電時の備えにもなる。 

 価格は1キロワット時の製品で40万~50万円だが、政府の補助金などが導入されれば、実質は20万円を切る可能性もある。年間2万台の供給力があり、増産も検討する。