一昔前なら田んぼや用水路、池などに普通に見かけていたメダカ。
40数年前、わたしが住んでいた大阪南東部に位置する中河内地方には、ため池や田んぼ、小川がたくさんあったので、バケツと網を持ってよくすくいにいったもんです。
メダカのほか、小鮒、タナゴ、どじょう、ヨシノボリ、スジエビなどもよく採れました。
タナゴなどは夏から秋にかけてブルーやピンクの婚姻色が出て非常に美しく、手のひらの中でピチピチ跳ねる魚体を飽きることなく眺めていた記憶があります。

スジエビも春先や秋頃の産卵期には水草の辺りを網でガサガサと探るようにすくうと一度に数十匹も採れるのであっという間にバケツはエビでいっぱいになるほどでした。
【これが海釣りの恰好の餌になり、キスやガッチョ(コチ)が入れ食いで釣れました】

『そんな時代もあったんやなあ・・・』と想うにつけ、かつては陽が暮れるまで遊び呆けた小川や池は今では影も形も無くなり、どの魚もとんと見かけなくなって本当に寂しい限りです。

特にメダカは絶滅危惧種としてその存在が危ぶまれている淡水魚の一種となっており、養殖でない純粋種はペットショップでもあまりみかけません。

そんな希少な天然メダカを譲り受けたのは2年前。当社のお客様の方が趣味で飼っておられるのをご厚意でいただいたものです。
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20匹ほどだったメダカが今では70匹以上まで増えて、当社のお客様へ呼び掛けたところ2組の方からご要望があって、めでたくお嫁入りとなった次第です。

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水槽の中で元気に泳ぐメダカをご覧になりながら、『昔はそこいら(その辺)の池や用水路にぎょうさんおったもんでなあ・・・メバルの釣り餌にしたもんやで・・・』と、目を細めながら仰っていました。

もうひと方のお客様もメダカに対する郷愁からご応募されたそうです。

今も当社事務所の水槽では数十匹のメダカが元気に泳ぎ回っているので、また増えればご要望の方へお分けしようと張り切っております。今から春が待ち遠しくてなりません。