本日、K様宅のエコキュート「基礎ベース工事」を行いました。

弊社では、簡易基礎を一切使用しません。

(※簡易基礎そのものは、メーカーさんが耐震性や強度などをテストされクリアされているものですので、あしからず。)

エコキュートの貯湯タンクは満水時は460Lで500kg以上、370Lでも400kg以上の重量物であり、基礎コンクリート(セメント・砂・砕石を混合したもの)のしっかりとした土台でないと、地震による転倒や地盤沈下等の倒れ(傾き)などで危険だからです。もちろん、少し傾いただけでも配管接続部に負担がかかり、漏れの原因にもつながる為です。

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↑ 【悪い工事例】 完全にタンクが傾いています。水やお湯が漏っていないのでしょうか?(基礎工事の不良ですね。)

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↑ 【悪い工事例】 こちらが、コンクリートの平板の上に置いただけの基礎??です。(側溝などのフタなどに使う数百円の材料です。)

悲しいことに私の親戚宅で、訪問販売業者にやられた工事です・・当然、配管も酷いもので、すでに当社にて2回漏水修理の工事を対応しています。しかも太陽光発電まで・・・

ご存知のように、オール電化や太陽光発電は訪問販売、ネット業者、量販店などあらゆる異業種からの参入が相次ぎ、過度の競争の末に、

商品代は定価の割引率などで比較し易いため、材料や手間を省くことで工事原価をギリギリまで切り詰める」工事が横行しています。

それでは、エコキュート用の簡易基礎の様に「設置当日に施工完了」する工事と違って、強度を確保した「現場打ち鉄筋コンクリート基礎」いかに材料と手間がかかるかをご覧頂き、これからオール電化をご検討されるお客様にとって「正しい施工方法」や「適正な見積り」、「信頼できる施工業者」のご判断材料にされることを切に願います。

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↑ 数日前に逃がし弁用の排水と、HP用のドレン排水配管を先行して施工しました。(このように排水管を露出させない場合には、事前工事が必要になります。)

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↑ 木枠を組み、バラスを敷きます。今回は貯湯タンク部+HPユニット(室外機)部も基礎をつくることにしましたので、大きさ的には2倍になります。

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↑ 次に専用の工具で地面を「転圧」します(ここでしっかりと地盤を締め固めることが大切になります。)

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↑ 住宅の基礎部分に「差し筋アンカー」を入れるための穴を開けます。約30cm間隔でアンカーを打ちこみます。

住宅の基礎と一体化することで強度が増し、基礎と土台の間が開いて来ない様にすることが目的です。

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↑ 差し筋アンカーの上には「ワイヤーメッシュ」を入れます。(細い針金の格子状のもの)

これは、コンクリートが固まる際に「ひび割れ」を防ぐための施工です。

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↑ ここまでの工程が枠入れ~鉄筋工事となります。

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↑ 次は現場で生コンクリートをつくります

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↑ 道路でセメント・砂・バラスをミキサーで混合して「コンクリート」を作っています。ちなみに、セメントと砂を混ぜただけのものを「モルタル」と呼びますが、砕石が入らないので強度はありません。外壁や土間タイルなどの「仕上げ」に使う材料なのですが、仕上がってしまうと「コンクリート」なのか「モルタル」なのかは、壊すまでは誰もわかりません。

バケツと砂とセメントで施工できる「モルタル」で作った基礎と、左官工が現場でミキサーでつくった「生コンクリート」の違いがお解りいただけたでしょうか?

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↑ 階段部分はバケツで運び、通路は一輪車で生コンを搬入します。(もちろんめちゃくちゃ重たいです)

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↑ 厚さは15cmでコンクリートを打ちます

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↑ 私はここで引き上げたので今日の写真はここまで。左官工は、朝8:30から施工して、午後15:00に完了、さらに数時間置いて天場を仕上げに行きます。(M左官、お疲れ様でした。)

ちなみに現場打ちコンクリートに使用した材料は砂6袋、砕石8袋、セメント3袋、手間は1日がかりです。だからこそ、簡易基礎ベースなどとは数倍も違う強度を保てます。

ここまで語ってしまうと、さも当社の施工が素晴らしいように聞こえてしまうのですが、本当はこれが普通の「温水器用の基礎土台の施工方法」なのです。実際に九州電力との販売店会議でも「基礎の施工要領」という書類にもきちんと上記のような施工をしなさい!となっていたのを忘れません。(西方沖の地震以降は特に厳しくなりました。)

現場の施工だけでなく、営業でも事務処理でも、当たり前のことを、当たり前以上に取り組む=「凡事徹底」に徹して行きたいと思います。