母が逝って丸四年。

ささやかな法事を行った。

寝たきりで強い認知症だった。

でも、私だけは解っていたようだ。

私が顔を近づけると、にっこりと笑い私の頬を撫ぜてくれた。

最期は眠るように逝った。

今日、私は額の中にいる母の顔をそつと撫ぜた。