メーカー・販売店供給強化
再生可能エネルギーで作った電気の「固定価格買取制度」で、
太陽光発電の買取価格が4月から、現行の1㌔㍗時当たり42円から
37~38円程度に引き下げられる見通しとなった。
買取単価住宅用では10年間固定されるため、
太陽光発電システムの“駆け込み需要”を見込んで、
メーカーや販売店の中には供給体制を強化する動きもある。
見直し
固定価格買取制度は、太陽光発電などの普及促進のてめに導入され、
電力会社に上乗せされている。
普及が進んで設置費用が下がると、国民負担を抑えるために買取り単価は年度ごとに
見直される見込みだ。
太陽光発電普及拡大センターによると、安い海外製品の増加もあり、
新築住宅向けの太陽光発電システムの2012年10~12月の設置費用は
出力1㌔㍗当たり42万7000円で、同1~3月(46万6000円)から8%下がった。
このため、茂木経済産業相は1月21日に見直しを表明し、価格は3月に正式に決まる見通しだ。
42円の現行価格で買取ってもらうには3月末までに国から設備の認定を受ける必要がある。
ただ、申請から認定まで約1ヶ月かかるとされ、国は2月22日までを目安に申請する必要がある
としている。
需要に対応
業界では「年度末に向けて購入者が急増するのは必至」(大手メーカー)とみて、
需要増加に向けて供給体制の強化を急いでいる。
パナソニックは昨年12月にマレーシアで稼動させた太陽光発電の新工場の生産計画を変更し、
13年度に販売予定の新製品ではなく、現行製品の生産を始めた。
「足元の需要の拡大に対応する」(担当者)ためだ。
店頭で太陽光発電パネルを販売する上新電機は「織り込みチラシなどで、
買取価格が42円のうちに設置するように勧めている」とし、
太陽光発電の知識がある店員を増やして接客を強化する方針だ。
反動減も
一方、住宅用の設置費用が出力1㌔㍗当たり55万円以下ならどう3万円、
同47万5000円以下なら同3万5000円を助成する国の補助金も、
4月以降に減額されるとみられ、駆け込み需要に拍車をかけそうだ。
全国各地で相次ぐメガソーラー(大規模太陽光発電所)の計画も、
買取価格が下がる前に設置しようとの思惑が働いたとみられる。
ただ、「買取価格の引き下げ後に反動減となる可能性がある」(関係者)との指摘もあり、
メーカー各社はコスト削減などを迫られそうだ