自然エネルギー推進  
某・新聞社朝刊から

  7月から再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」がスタートしたことを受け、自然エネルギーの中では取り組みやすいとされる太陽光発電への期待が高まっている。企業がメガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設に相次ぎ乗り出す一方、家庭向け太陽光発電パネルの販売・施行を強化する動きも活発化してきた。

商機拡大 内外から参入

■建設ラッシュ

 メガソーラーの建設急増している。7月からソフトバンクの子会社SBエナジーが京都市内で出力4200㌔㍗のメガソーラーを稼動させたのをはじめ、大林組も京都府久御山町の物流センター屋上を活用した千㌔㍗の発電整備を立ち上げた。

 このほか、近畿日本鉄道が奈良県内の遊休地で3000㌔㍗、大阪ガスが大阪市内と和歌山県広川町で計2600㌔㍗の発電設備をそれぞれ計画。また、住友商事など3社と、大阪市で構成する連合事業体は大阪湾の人工島・夢洲の廃棄物埋め立て処分場に、関西最大級となる1万㌔㍗の発電設備を設ける。

 大和ハウス工業も住宅メーカーとして培ってきた技術を生かし、メガソーラー発電所の企画から開発、工事、運営管理までを提案するビジネスモデルの構築に乗り出している。7月から福岡県北九州にある物流センターの屋根に発電整備を設けるなど、平成24年度に1万㌔㍗、26年度までに風力発電設備と合わせて7万㌔㍗の発電ビジネスに成長する方針だ。

 

■買取後押し

 太陽光などの自然エネルギーを活用して都市全体を運営するスマートシティ構築の動きも活発化してきた。京都府、大阪府、奈良県にまたがる関西文化学術研究都市では「けいはんなプラザ」(京都府精華町)を太陽光発電パネルを備えた環境ビルにした上で、太陽光発電パネルを完備した住宅、店舗、研究所などのネットワーク化に今後取り組む。

 平成6年からの国の普及政策が始まった太陽光発電市場は順調に拡大。関連事業を手がける企業などで組織する一般社団法人太陽光発電協会(代表理事・片山幹雄シャープ会長)によると、平成15年度から20年度にかけて20万~30万㌔㍗の間で推移していた太陽電池の国内出荷量は、21年度に前年比2.6倍の62万㌔㍗と急増。その後も22年度106万㌔㍗と拡大を続け、4年前に比べ7倍に増えた。今年は全量買取制度が始まったことを受け、前年比約2倍の約250万㌔㍗に膨らむと予想されている。

■中韓企業も着目

 国内の太陽光発電市場の拡大により、中国や韓国など海外メーカーの進出も活発になっている。21年は10%程度だった太陽光発電システムの輸入比率は、22年に12%、23年は20%と増加全量買取制度をビジネスチャンスとみて、日本市場への参入をうかがう動きが加速している。

 韓国の対外輸出を促進する大韓湯貿易投資振興公社(KOTRA)は7月11日、大阪市内などの環境関連機器メーカーと関西の企業のマッチングを目的とした「韓国節電・エコ商談会」を開催。韓国からは、携帯型太陽発電システムの企業連合体など62社が参加した。

 日本からは、メーカーや建設会社など約320社・団体が参加。約620件の商談が行われ、金額は見積もり段階も含め合計で約170億円にのぼるという。KOTRA大阪の李茂栄(イ・ムヨン)次長は「太陽光発電で日本市場は今後、大きな拡大が見込める。ビジネスチャンスを見込んで、韓国企業が関西に拠点を設置する動きもひろがる」と話している。

風力  

再生エネルギー固定価格買取制度

 再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスによって発電した電力を電気事業者に一定期間、固定価格で買い取ることを義務付けた制度。

買い取り額は太陽光が1㌔㍗時あたり42円(出力10㌔㍗以上)、

風力が23.1円(同20㌔㍗以上)などとされている。

買取に必要な費用は消費者が電気代の一部として負担する。