ダイキン工業が、米空調大手のグッドマン・グローバルを買収する方針を固めたことが29日わかった。買収する額は約3千億円とみられる。グッドマンの流通網を生かし北米市場を攻略する。ダイキンは平成22年度に空調事業の売上高で米キャリア社を抜き世界首位になった。低価格線路で攻勢をかける中国や韓国メーカーに対し、世界首位の座をより強固にする。同日午後に発表する。

　グッドマンは、米国の家庭用空調で約25%とトップシェアを持つ。北米では、大きな管(ダクト)で建物全体に冷たい空気を運ぶ「ダクト式」が主流。冷媒のみを運び、各部屋で電源や湿度調整が可能な「ダクトレス方式」を展開するダイキンは長年、北米市場の切り崩しが課題だった。

　ダイキンの23年度空調部門の売上高は約1兆400億円。今回の買収でグッドマンの流通網を生かし、より省エネ性に優れた「ダクトレス方式」を積極展開する考えだ。まずは世界最大の北米市場を攻略、ダクトレス方式への転換もにらみ、エアコン世界一の地位を盤石にする。