電力16年全面自由化
夕刊記事から, 時事 2013年2月2日経済産業省が検討している電力制度改革の報告書原案の全容が分かった。
2016年に既存の電力会社以外の企業にも家庭向けの電力販売を認める
「小売り全面自由化」に踏み切る。
電力会社が発電と送配電を一貫して行う現行の体制を見直すため、
地域をまたぐ送電網の運用を行う「広域系統運用機関」を15年に設立し、
17~19年に持ち株会社傘下で発電や送電など部分ごとに分社化する「法的分離けを実施する。
料金規制も廃止し、電力会社が自由に料金を設定できるようにするなど、
今後6年間で3段階に分けて制度改革を進める。
新規事業者の市場参入と業界の競争を促すのが狙いで、
60年以上続いてきた電力業界の地域独占体制は崩れる。
報告暑案は、8日にも開く経産省の有職者会議「電力システム改革専門委員会」に提示する。
小売りが全面自由化されると、現在は地域の電力会社が独占している家庭向けの電力販売にも、
新電力(特定規模電気事業者=PRS)や他地域の電力会社の参入が可能となる。
燃料費など必要経費に一定の利益を上乗せして電気料金を決める「総括原価方式」と呼ばれる料金規制が廃止されれば、
夜間料金を抑え、再生可能エネルギーだけを選ぶなど、
様々な料金体系を消費者が選べるようになる。
経産省以外の新たな規制機関を15年に設立し、電力会社の監督を行う。
改革を段階的に行うのは「消費者や電力業界への影響が大きく、
検証を行いながら慎重に進めるため」(関係者)だ。
安定供給などへの不安が抑えられると判断すれば、時期を前倒しすることも検討する。
今国会に提出する電気事業法の改正案は、広域系統運用機関の設立を明記する。
初送電分離や小売り全面自由化などは法案の付則に盛り込み、
実施の時期に改め法改正を行う考えだ。