ウェンズ㈱ファンの皆様へ日経新聞社  夕刊記事から抜粋!宙を舞う厄介ものPM2.5

中国の大気汚染問題で、シャープが現地で展開する空気洗浄機の販売が、昨年の約3倍の勢いで急伸している。経営再建中の同社は昨年、沖縄県尖閣諸島をめぐる不買運動で主力の液晶テレビの販売が低迷し、中国市場で苦戦を強いられた。パナソニックも広東省の工場で空気洗浄機生産ラインの稼働率を1.5倍に引き上げた。日経各社は、大気汚染による“特需”で市場の巻き返しを図ろうとしている。

公的機関が認証  不買どこ吹く風 シャープ3倍増

シャープが中国で販売する主力製品はプラズマクラスターの空気洗浄機。プラズマクラスターは、イオンを発生させ空気中のカビ菌などを除菌するシャープの独自技術だ。

中国で問題化している「PM2.5」は直径2.5㍃・㍍(㍃は100万分の1)以下という大気中に漂う微粒子の中でもとりわけ極小な物質。シャープ製など日本製品は、PM2.5対策として中国の公的機関から認証を獲得した。こうした後押しもあり、シャープは2013年1月、大気汚染による“特需”で中国での販売数が前年同期比3倍に増加。同製品を生産する上海工場は増産態勢に入っている。

大使館で説明会

売れ筋は日本円で約6万円もする高級機タイプだ。シャープによると、中国では環境問題の深刻化で空気洗浄機市場が拡大しており、12年の市場規模は約100万台とみられるという。

市場拡大でシャープの12年の販売台数は前年比の2倍(実台数は非公表)が見込まれていたが、突然の特需発生でさらに販売台数を押し上げそうだ。同社広報は「予防策として活用してほしい」と期待を込める。

さらに今月6日、北京市内の日本大使館で大気汚染に関する説明会が開かれ、市内に住む日本人の主婦や企業関係者、留学生らの約160人が参加した。

説明会ではPM2.5の危険性のほか、中国で購入可能なシャープ、パナソニック、ダイキン工業といった計3社の空気洗浄機を紹介。

各社の製品が並べられ、実際に運転させて担当者らが機能を説明。

参加者からは「どこで買えるのか」などの声があり、需要は今後も拡大しそうだ。

国内需要も増?

PM2.5による大気汚染は日本各地でも観測され始め、7日には関東各地でも観測された。環境省が観測体制強化等に乗り出しており、国内需要も高まりそうだ。

「不買運動のリスクは織り込み済みです」

2月1日の決算会見で、シャープの奥田隆司社長は中国市場についてこう述べただが、。大気汚染による思わぬ特需は不買運動の影響を吹き飛ばす可能性も出てきた。

経営再建中のシャープ、赤字にあえぐパナソニック。こうした特需は、円安傾向に続き、業績が落ち込む日系メーカーを後押しする要因になりそうだ。

ウェンズ株式会社